採用ペルソナの設定方法6ステップ!フォーマットあり

採用活動で重要なのが、「採用ペルソナ」の設定です。

採用ペルソナを設定することで、採用したい人材を明確化させることができます。

現在採用が上手くいっていない場合、採用ペルソナの設定がしっかり行われていない可能性があるでしょう。

本記事では、採用ペルソナの簡単な作り方やメリット、注意点をお伝えします。ぜひ採用活動のご参考にしてください!

目次

採用ペルソナとは

採用ペルソナとは、スキルや経験、年齢、性別、趣味、特技、前職、家族構成、ライフスタイル、価値観などのパーソナリティまで詳細に設定した、自社が求める架空の人物像のことを指します。

採用ペルソナの設定は、求人広告の効果を高めたり、社内の採用基準を統一してミスマッチを防いだりするために重要な要素です。

自社にマッチした採用ペルソナを設定できれば、採用後のミスマッチ、早期退職なども防ぐこともできます。そのため、採用ペルソナの設計は採用活動における重要な要素といえるでしょう。

「採用ペルソナ」と「採用ターゲット」の違い

採用ペルソナとは別に、「採用ターゲット」という言葉があります。この二つには明確な違いがあります。

特定の人物像を設定する採用ペルソナとは違い、採用ターゲットは、性別や年代など、採用したい人材の層のことを指します。

「ある特定の人物」を想定する採用ペルソナの設定は、より具体的に人材のパーソナリティまで考えていく作業といえるでしょう。

採用ペルソナ4つのメリット

次に、採用ペルソナを設定するメリットを4つご紹介します。

1.ミスマッチを防げる

採用ペルソナを設定する大きなメリットは、求職者と自社のミスマッチを防止できることでしょう。

採用ペルソナの設定により採用の精度が高まり、本当に自社で活躍できる人材の採用につながります。

採用におけるミスマッチがなくなれば、人材の早期離職を防ぎ、長期的に活躍してくれる人材採用が叶うでしょう。

2.共通認識を持てる

採用ペルソナを設置する大きな利点は、社内で共通認識を持てることです。

自社で採用が上手くいっていない場合、現場が求める人材と、経営陣が求める人材に齟齬がある可能性があります。現場と経営陣の認識の違いにより、本当に自社で活躍できる人材を逃している恐れもあるでしょう。

現場・経営陣含めて採用ペルソナを話し合うことで、自社に必要な人材をすり合わすことができ、採用精度が大きく上がるでしょう。

3.訴求ポイントが明確になる

採用ペルソナを明確にすることで、求める人材への訴求ポイントが明確になり、効果的なアプローチができるでしょう。

もちろん、自社の魅力を求職者に伝えることは大切です。しかし、闇雲に企業をアピールしたからといって、欲しい人材からの応募が集まるとは限りません。

採用ペルソナを明確にすることで、自社が本当に欲しい人材に絞り、その人物に響くアプローチができるでしょう。

4.求職者の視点を持てる

採用ペルソナを設定することで、求職者の視点を持つことができるでしょう。

採用ペルソナとは、自社が欲しい人材のパーソナリティまで深堀りして考える行為です。

自社の求める人材が、どんな経歴で、どんな経験をして、どういう経緯で転職を考えるようになったかなどを想像することで、求職者視点を持った採用活動を行うことができるようになるでしょう。

求職者視点を持てれば、その人材にとって魅力を感じる職場環境や就職条件をより考えやすくなりますし、自社がアピールしたい情報と求職者の求める情報の差異なども認識することができます。

採用ペルソナの設定方法6STEP

採用ペルソナの概要やメリットを理解できたら、早速採用ペルソナを設定してみましょう。

下記、採用ペルソナの設定方法6STEPをご参考ください。

1.採用の目的を明確にする

採用ペルソナを設定する際は、まず採用の目的を明確にする必要があります。

それは、採用の目的により、必要な人材が異なるからです。

ある特定の業務に従事するのか、社内の新規プロジェクトを任せるのか、自社の経営そのものを担っていく存在なのか…。

採用の目的によって、どんな人材が必要かも変わります。採用ペルソナをしっかり設定するためには、具体的な業務や必要なスキル、採用計画など、採用の背景を理解し目的を明確にすることが大切です。

2.自社への理解を深める

採用ペルソナとは、自社の社風に合い、長く働き続けられる人物である必要があるでしょう。

いわば会社の未来を担っていく人物像ということのなるので、まずは自社の企業理念や将来性、展望についてよく理解しておきましょう。

具体的に理解しておくと良い自社の情報は、下記になります。

  • 企業理念
  • 展望、ビジョン、将来性
  • 社風
  • 環境、働き方
  • 事業内容
  • 強み
  • 業務内容
  • 募集職種

自社の情報を理解し、整理することで、より精度の高い採用ペルソナを設定できるでしょう。

3.求める人物像を熟考する

採用の目的を定め、自社理解が深まったら、次に求める人物像を熟考しましょう。

「どんな人物が自社に合うのか」「採用条件に合うのか」と考えていく作業です。なぜその人物像を設定したのか、理由を明確に述べられることが大切です。

どんな人物像が自社が業務内容にマッチするのか想像つかない場合、現場や経営層にヒアリングすることをおすすめします。その際、「どういった人物と一緒に働きたいか」「自社の未来を担えるのはどう言った人物か」など、具体的な質問をすると、相手も人物を想像しやすいでしょう。

4.採用ペルソナを設定する

いよいよ採用ペルソナを設定するフェーズです。

これまでのステップで明確になった「採用の目的」「自社の情報」「求める人物像」といった情報をふまえ、採用ペルソナを設定します。

求める人物像が「チャレンジ精神」であれば、チャレンジ精神のある人物とは、どういう経験をして、どういう生活を送っている人物なのかを細かく想像していきます。

また、なぜ「チャレンジ精神」を求めるのか、その理由もふまえてペルソナを設定していくことも重要です。

「自社の発展に関わる新規プロジェクトを担う、チャレンジングな現場での業務だから」という理由であれば、そういった環境で力を発揮できる人材を想像していく必要があります。

その場合、学生時代や仕事で自ら主体的にプロジェクトを遂行した経験があったり、日頃から新しいことに興味があり好奇心旺盛であったりと、具体的なペルソナが浮かび上がってきます。

5.社内ですり合わせを行う

採用ペルソナが完成したら、現場や経営層に確認し、すり合わせ行うことが大切です。

実際にできたペルソナと、現場や経営層の求める人物像の間に齟齬がないか確認する作業といえます。

もし齟齬があった場合、採用計画を見直し、ペルソナを再度考え直す必要があります。もう一度現場や経営層にヒアリングし、採用ペルソナの精度を高めましょう。

採用ペルソナの設定は、この、採用チームと現場・経営層の間で認識のすり合わせを行うことに意味があります。なぜなら採用ペルソナは、単に採用基準を決めることではなく、採用に関わるすべての社員と採用戦略の認識を合わせ、より実りある採用活動を行うためのものでもあるからです。

6.採用市場に合致するか確認する

最後に、設定した採用ペルソナが、採用市場に合致しているか確認しましょう。求める人物像に近い人物が、どれほど集まるのか見込みを立てる作業です。

採用ペルソナの設定が細かく、かつハードルが高すぎる場合、母集団形成ができず応募が集まらない恐れもあるでしょう。

そのため、採用市場にいる求職者と、採用ペルソナに間に大きな乖離がないか確認することが大切です。

もし乖離があった際は、再度採用ペルソナの優先順位を見直しましょう。

たとえばスキル面など、入社後にも身に付けることが可能な条件は優先順位を下げ、性格や価値観など入社後に変わる可能性が少ない要素の優先順位を上げるなど、採用市場の状況に応じて工夫していくことも重要です。

当てはまってない?採用ペルソナの注意ポイント6選

ここでは、採用ペルソナの設定における注意点をご紹介します。実際に採用ペルソナが完成したら、注意ポイントが当てはまっていないか確認しておきましょう。

1.優先順位を付けていない

先述したように、ハードルの高すぎる採用ペルソナは、採用市場から乖離し応募が集まらないリスクがあります。

採用ペルソナを設定する際は、スキルより性格を重視するなど優先順位を付け、マッチする求職者の幅を広げましょう。

2.細かく設定しすぎている

採用ペルソナを細かく設定しすぎている場合、要注意です。採用ペルソナは、厳密な採用基準というわけではありません。

あまりにペルソナの設定が細かいと、合致する求職者が極端に少なく、応募者が集まらないリスクがあります。

「協調性」を求める場合でも、必ずしも「学生時代にチームで何かを成し遂げた経験」が必要なわけではありません。他者の話にしっかり耳を傾けられる能力があれば、協調性を発揮し活躍できることだってあるでしょう。

採用ペルソナが細かすぎる場合、当初の採用戦略、「なぜその人物像を求めているのか」という基本に立ち返ってみることをおすすめします。

3.現場や経営層の意見を取り入れていない

採用チームのみで採用ペルソナを考えている場合、注意が必要です。

現場や経営層と齟齬がある場合、採用後のミスマッチや早期離職に繋がってしまう恐れもあります。特に採用チームが募集ポジションの業務内容を把握できていない場合、現場とのズレが起きやすくなります。

そのため、必ず現場や経営層に求める人物像をヒアリングしたうえで採用ペルソナの設定を行いましょう。

4.定期的に見直していない

採用ペルソナは一度設定したら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。

設定した採用ペルソナが最適だったかどうかは、実際に採用を行ってみないと分かりません。なかなか採用活動がうまくいかず、求める人材が集まらない場合、原因を分析し、採用ペルソナを練り直す必要があるでしょう。

また、採用市場は日々変化します。その時々の採用市場にあったペルソナにアップデートすることも非常に重要でしょう。

採用ペルソナの見直しに関しても、採用に関わる社員全員で認識をすり合わせるため、現場や経営層と一緒に行うことをおすすめします。

5.ペルソナを複数用意していない

採用ペルソナは、複数用意するのが効果的でしょう。

一つのペルソナにこだわると、自社で活躍できる人材の幅が狭まってしまいます。そのポジションで活躍できる人材とは、決して一人ではないはずです。多角的に業務やポジションを捉え、企業の多様性を高められるようペルソナを複数用意しておくと良いでしょう。

ただし、多様性を重視しペルソナの数を多くしすぎた場合、ミスマッチが起きる危険性もあります。一つのポジションに対して2つなど、制限を設けてバランスを取りましょう。

6.自社のみで採用ペルソナを考えている

自社のみで採用ペルソナを考えていると、思考が凝り固まったり、どうしても客観的に捉えられなかったりして、煮詰まってしまうこともあるでしょう。

もし採用ペルソナの設定がうまくできない場合、採用代行サービスを使うのも一つの手です。

採用代行サービスでは、採用におけるノウハウを持ったプロが、採用戦略から採用ペルソナの設定、求職者とのやりとりなどを代行してもらえます。

第三者の目線を借りることで、本当に自社に必要な人材が見えてくるかもしれません。

採用ペルソナのフォーマット

下記では、採用ペルソナのフォーマット(一例)をご紹介します。ぜひペルソナを設定する際のご参考にしてください。

採用ペルソナは、新卒採用と中途採用で違いがあります。社会人経験がない新卒の場合は、学生時代の部活やサークル活動、アルバイト経験などで、志向や価値観を考え、設定していきます。

中途採用の場合は、前職の経験やスキル、経歴、転職の動機などが設定するポイントとなります。

個人情報

  • 氏名 
  • 性別
  • 年齢
  • 学歴
  • 前職

追加情報

  • 趣味
  • 特技
  • 部活、サークル
  • 性格
  • 経験
  • 資格

エピソード

学生時代や前職でのエピソード

  • 学生時代に力を入れたこと
  • 部活やサークル、バイトでの経験
  • 前職での成功体験、挫折経験
  • 仕事での悩みや不満
  • 長所や短所

現職の内容

  • 職務内容
  • 価値観
  • 仕事で一番楽しいとき
  • 仕事で一番辛いとき
  • 仕事のルーティーン

転職に関する想い

  • 転職の動機
  • 志望業界、職種
  • 企業に求めるもの
  • 転職で重視すること
  • 転職で叶えたいこと

まとめ

以上、採用ペルソナの設定方法やメリット、注意点などをご紹介しました。

いかがだったでしょうか。

採用ペルソナの設定で大切なのは、採用戦略を立て、自社を理解し、採用に関わる社員全体でのすり合わせといったプロセスです。

採用ペルソナによって採用基準を厳密に決めるというよりは、採用ペルソナの設定を通し、社内での採用における共通認識を作っていくことに意味があるといえるでしょう。

また、採用ペルソナ設定することで、求職者の視点を持てるようになることもポイントです。求職者目線で訴求できるため、自社にマッチした人材の採用につながるでしょう。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

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