最近の就活生は何に悩んでいるのか?企業はそれにどう答えられるのか

就活は誰かに教わることもなく突然はじまり、自力で進路を開拓していく過程です。そのため、就活生は誰しもが何かしらの悩みを抱えています。

最近の学生は就活をする中で何に悩んでいるのでしょうか。今回は、筆者自身の経験や周囲の就活生から聞いた情報をもとに、就活生の悩みをご紹介しようと思います。また、就活生はこのような悩みついて企業にどうしてほしいと思っているかについても考えていきます。

目次

悩み1:内定がもらえないという焦り

まず何よりも、内定がもらえない、あるいはもらえないのではないかという悩みがあります。これは就活生なら誰もが直面する悩みではないでしょうか。

これは、単純にどこからももらえないという話に限らず、自分が入りたい会社から内定が一つも出なかったらどうしようという不安まで含むものです。

企業が就活生の就活の進度について完璧に把握することは難しいものがあります。就活生の内定取得事情は本人の問題なので、企業に何かしてほしいということは特にないことが多いですが、もし少しでも選考中の就活生がこのような悩みを企業に打ち明けたときには、企業はできる範囲で就活生に寄り添って問題解決の手伝いができたらよいかもしれません。「就活相談など就活エージェントがやればよい」といった問題ではなく、相談も含めた信頼関係構築の一環をなすものとして企業側が行動することを就活生は求めています。

悩み2:自分がどのような進路に進みたいかがよくわかっていない

次に、自分の進路がそもそも自分でよくわかっていないという悩みです。

自分が社会人としてどのように振る舞っていきたいかについてこだわりがない(特に深く考えていない)就活生は多いものです。

自己分析や業界研究をしたとしても、「自分はこういう軸を大事にしているから、まさにこの業界・この企業に行きたい」と意思を固めるに至る就活生は多くはありません。

にもかからず、就活生は会社ならどこでも良いと思っているわけではなく、自分に合った会社を探そうとしています。説明会やカジュアル面談など、社員との接点がある場での対話を無意識的に重視しており、会社との有意義なコミュニケーションを求めているといえるでしょう。

悩み3:聞いていた情報と入社後の実態が違ったらどうしようという不安

この悩みも昔からよくあるものですが、今でもよく耳にします。就職して働き始めたサークルや部活などの先輩から、「実際は違った」という話を聞くことも多いようです。

採用活動を通じて、企業は必ずしも全ての情報を出すわけではありませんし、就活生も全ての情報を把握できているわけではありません。学生にとって就職は、特に自分の人生を決定づけるイベントですから、このような情報のすれ違いが起こることに対して不安を抱いています。

また、ミスマッチがあると内定辞退や入社後の早期離職の可能性が高まる上に、評判も下がる恐れがあるため、企業側としても「入ってみたら話が違う」と社員に思われるような事態は避けたいものです。

就活生は会社に対して、真摯な情報開示を求めています。就活生は会社の採用サイトやブログなどのオウンドメディアを検索して、会社がどのような情報を発信しているかをつぶさに調査しています。会社が全ての情報を開示するのは限界がありますし、人によって知りたいことも、情報の受け止め方も異なります。Q&Aのような就活生の視点に立った情報提供や、先輩社員の話を聞く機会など、就活生の不安に寄り添ったコミュニケーションが望まれます。

悩み4:自分に激務耐性があるかという不安

繁忙期や短期的に定時を超えて働かなければならないときがあるのは企業活動の中ではよくあること。中には業務の性質上ハードワークを覚悟しなければならない企業もあります。

「自分の志望先は明確で、大切にしている軸も一致しているが、体が保つような職場環境なのだろうか…」と悩む就活生の多くは、このような不安を抱いています。激務耐性があるかどうかは働いてみないとわからない、具体的にどのような点で負荷がかかるのかがわからないという点に不安を感じています。

学生は社会人経験がないため、様々な情報を見聞きし、過大な不安を抱きがちです。社員が実際にどのような働き方をしているか、学生は具体的に知りたがっているので、よく見せようと繕って嘘をついたり情報を隠したりするのではなく、等身大の情報を伝えることが望まれます。

悩み5:面接で上手な受け答えができない

面接が苦手だという就活生は、筆者の周囲にも多くいます。

面接という選抜方法はある意味特殊です。普段の企業内での社員同士のコミュニケーションとは異質のやり取りであり、その場で価値を発揮しなければならないという緊張感もあるため、一種の試験や競技だと言っても過言ではありません。

必ずしも面接の巧拙のみで採用が決まる訳ではないと思いますが、苦手な就活生には大きなハンデになると考えられるため、口下手な人、深く考え込みがちな人、慌てやすい人などは、面接対策に悩む傾向が見られます。

企業側のアプローチとしては、インターンを実施して実際の働きぶりを見ることで、就活生が自分の企業にマッチしているかを測るという方法も考えられます。就活生はあくまで自分という存在が会社にマッチするかを見極めてほしいと思っており、企業は自分の職場に馴染んで長く働いてくれるかという点が採用の軸になりますので、会社としても面接が苦手な人を面接以外の方法で選考する方針はあり得るのではないでしょうか。

他に、外資系企業によく見られますが、あらかじめ何を就活生に問いたいかをオープンにしておくことも一つのやり方です。「就活テクニックを使って対策されるかもしれない」と危惧する会社はあると思いますが、決まった質問内容から就活生がどのくらい自分の考えや価値観を理解しているかを尋ねる方が実りある対話につながります。就活生は企業に対して、このような就活生の人となりを理解しようとする対応を求めています。

悩み6:就活疲れから早く抜け出したい

早く就活生という状態・立場を抜け出したいという人は多数います。内定が1つ2つ出た段階でさっさと受諾して他の選考を断るケースは周りを見ていても多いです。

就活生はいくつもの会社に選考にかけられ、エントリーシートなどの必要書類を書いたり面接の対策をしたりします。就活は結果が努力に比例するようなものでもなく、また選考結果待ちというペンディング状態が長く続きます。

このような状態が、就活生を体力的・精神的に消耗させてしまい、会社から内定が出たら、よく考えずに受諾して切り上げる、という事態につながります。

就活疲れは就活生個人の問題であり企業に対して何かしらの対応を求めるものではありませんが、内定を出す際に就活疲れに見舞われている就活生は一定数いるということを、会社側が理解しておくことは大切でしょう。

いかがでしたでしょうか。今回は最近の就活生の悩みについて、筆者や周囲の人の体験を中心にご紹介しました。

就活生の悩みの本質は昔と今とで大きく変わるものではありません。しかし、就活にまつわる情報やノウハウが大量に蓄積・共有される今だからこそ、就活生の悩みに、より直接的にアプローチすることもできます。

自分の会社に合う就活生を見極める中で、こうした就活生の悩みを理解しておくことは、会社の採用活動に有益だと思います。

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